みんなで創るという精神

ペリマンニットのお世話役のアンネさんに誘われて、Kuivaniemen kotiseutuyhdistys(クイバニエミの祖国協会)が主催する日帰りの小旅行に参加しました。

観光バスで古い歴史を持つハウキプダスの教会や、オウルの博物館など数箇所を巡る旅でした。

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そして帰り道、このKuivaniemen kotiseutuyhdistys 会員になってもいいということで、早速入会させてもらいました。といって何をしているグループなのかのかよくわからなかったのですが、毎週火曜日、クイバニエミ博物館(昔の民家をそのまま保管し、当時の生活用品や道具が使われていたままに展示してある)に夕方5時に集まって、老朽化する博物館の壁にペンキを塗ったり、草刈をしたり、保管のために自由な無給の作業を行います。また7月からは隔週でこの庭でYhteislaulu(みんなで歌おう)が開催されます。これには去年の夏、数回参加して演奏したことがあるのですが、このグループの活動の一部であることは知りませんでした。

そして昨日、初めてKUivaniemen kotiseutuyhdistysの活動に参加してみました。先のとがったシャベルを持っていたら、来るときに持ってきてということでした。今は、博物館横の空き地に倉庫(かなり大きなものです)を建てるということで、穴を数箇所掘って基礎を作っているところでした。

フィンランド人は何でも自分たちでやります。そしてどの人もその方法を知っています。それぞれが自分の持っているものを提供し、それは労力であったり、トラクターであったり、技術であったり、材木であったり・・・ そして数ヵ月後、ここに立派な倉庫が出来上がるのです。実際にかかる費用はほんのわずかです。自分たちの村だから、自分たちの歴史だから、自分たちで守っていく。誰に強制されるわけでもなく、参加するもしないも、提供するもしないもすべてが自由の上に成り立っています。日本人のボランティア活動から感じられるような胡散臭さは全く無く、静かな感動だけが感じられる風景でした。

フィンランドでは、何かをやろう、作ろうとなったら、こんな風に自然に賛同する人たちが集まってきて、ほとんど費用はかからずに、なんでも簡単に出来てしまうのだろうと思います。前回の記事で書いた「社会と人生の未来を考える学校」も、一人でやろうと思うと莫大な資本が必要になって来ます。でも、必要だと思う人が呼びかけ、自主的に集まって、自分たちのためのものを創るのだからという精神で、損得を考えずに自分の持てるものを提供し合い、知恵を寄せ合ったら、企業からの寄付を当てにしなくても、宝くじが当たるのを待たなくても、すぐに出来るのに・・・

アンネさんは男たちに混じってスコップで作業をしていましたが、他の女の人たちはコーヒーとプッラの用意をしたり、博物館の中のカーテンの付け替えを考えたりして、合間に私にいろんなことを教えてくれます。70歳くらいの女性から「今日は来てくれてありがとう」と言われました。「私は何にもやっていない」と言ったら、「ここに来て、ともにいることが素晴らしいことなのよ」と。

結局この作業は夜の9時まで続き、久しぶりの肉体労働に夫も汗だくで、筋肉痛になりそうといいながらも、フィンランド人のこの精神に深く感動し、爽快感で帰ってきました。

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社会と人生の未来を考える

デンマークに関する記事を読んでいて、Jante Lawという教えがあるということを知りました。デンマークはこの教えを元に高福祉社会が出来上がったということです。

その教えとは

  1. You’re not to think you are anything special.
    (自分を特別であると思うな)
  2. You’re not to think you are as good as us.
    (自分が相手と同じくらい価値あると思うな)
  3. You’re not to think you are smarter than us.
    (自分が相手よりも頭がよいと思うな)
  4. You’re not to convince yourself that you are better than us.
    (自分が相手よりも優れていると思い上がるな)
  5. You’re not to think you know more than us.
    (自分が相手よりも多くを知っていると思うな)
  6. You’re not to think you are more important than us.
    (自分が相手よりも重要であると思うな)
  7. You’re not to think you are good at anything.
    (自分は何かが得意であると思うな)
  8. You’re not to laugh at us.
    (相手を笑うな)
  9. You’re not to think anyone cares about you.
    (相手の誰かが自分を気にかけていると思うな)
  10. You’re not to think you can teach us anything.
    (相手に何かを教えることができると思うな)

この意識がデンマーク人に浸透していると言われています。フィンランドもこれと同様の平等意識があります。この平等意識があるからこそ、『お母さんに優しい国世界一』であり、『格差の少ない社会』であり、『男女平等の国』であるのです。平等意識から『優しさ』が生まれ、『真の幸せ』を感じられる暮らしが創られるのです。

日本のような競争社会の中に平等が生まれるわけはなく、勝った負けたで一喜一憂し、弱いものを蔑み、強いものに嫉妬する。この記事を書くにあたり関連サイトを見ていたら、平等や幸福度でいつも上位ランキングされている北欧とは真逆の、日本での「格差の拡大」「若者や女性の貧困」「職場や地域に於ける大人のイジメ」「教育の荒廃」などなど、暗く厳しい現実が否が応でも目に入ってきます。このような事実を見るたびに、何かをしなくてはいけないのではないかという思いがわきあがってきます。

フィンランドで暮らしていると「こんな国で学生時代を過ごしたかった」「こんな国で結婚したかった」「こんな国で子供を育てたかった」といった感情が抑えきれず、なぜ私は日本人として生まれなければならなかったのかと、自分ではどうにも動かしがたい運命を恨めしく思うことがよくあります。けれど人生に偶然は無いとしたら、日本人に生まれたからこそできることがあるとも思います。いつも権力者などの強者の餌食にされ、智と力がないが故に、はむかうことも出来ずボロ雑巾のように社会の片隅に放り出されている弱者と呼ばれる人たちに、このフィンランドの社会や未来を見据えた考え方を伝える学校。そう『社会と人生の未来を考える学校』。絵葉書_0003

教師はもちろん各界のフィンランド人。校舎は廃校になって今は使われていない建物。全寮制で夜を徹して話し合うことも出来る。期間は観光ビザで可能な3ヶ月間。生徒の年齢は15歳以上ならOK。運営費用は日本の現状に危機感を感じている私たち団塊の世代や企業からの寄付金で賄う。そして生徒となりたい人たちの負担は出来るだけ安く抑える。

夢は私の心の中でどんどんと広がります。

どなたか共感・賛同する人はいませんか?